御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
「いいですいいです。わかってますから。会えなくてさびしいですよね。もう、本当にかわいすぎますよ。あ、だったら今日は私がおつき合いします。おいしいご飯を食べて元気になりましょう」

唐突に夕食の話が飛び出し、菫は目を丸くする。

普段から時間が合えば食事に行く関係だとはいえ、彼女の目にはありありと好奇心が浮かんでいて、ついひるんでしまう。

「そうと決まればさっさと仕事を終わらせます。御園さんもレッツ定時退社ですから、早く片付けてください」

「あ、う、うん」

いつの間にか決まっていた笹原との食事。菫はどうしてこんな話になったんだろうかと首をひねる。

とはいえ根っから明るい笹原といると自然と笑顔になり気持ちも盛り上がる。

今日はつわりもなく体調もいい。

仕事で帰りが遅い黎を待ってひとりでさびしく過ごすより、お腹の赤ちゃんにとってもいいだろう。

菫はそっとお腹に手を当て気持ちを落ち着けた後、中断していた仕事を再開した。





十七時半の終業時間に無事に仕事を終え、菫と笹原は揃ってエレベーターに乗りこんだ。

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