御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
「御園さん、どこに行きます? 私、がっつりいきたいんですよね。週半ばであと二日働かなきゃいけないしパワーチャージしましょうよ」

笹原はスマホでグルメサイトを検索し始める。

人付き合いがよくおいしい物に目がない笹原のはしゃぐ声に、菫は小さく笑いうなずいた。

「私はなんでもいいよ。あ……お酒はパスで食事メインがいいかな」

もともと外でお酒は滅多に飲まないが、妊娠中はとくに気を付けた方がいいだろう。

「だったら、あ、このステーキハウスなんてどうですか? 一度行ったことがあるんですけど内装がおしゃれなうえに安くておいしいんです」

「あ、いい感じのお店だね。近いしそこにしようか」

笹原のスマホに表示されていたのは、会社から二駅隣のステーキハウスだった。

「だったらここにしましょう。水曜日だし、予約しなくてもいいですよね」

「そうだね。とりあえず行ってみようか」

エレベーターが一階に着き、ゆっくりと扉が開く。

打ち合わせスペースを備えた広いロビーを横切り、ふたりは会社を出た。

すでに日が落ち、会社周辺は外灯に照らされていた。

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