御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
「だからこそ、意義があるのよ。というわけで、この本の増刷が再度決まったから、知らせておくわ。残念ながら御園さんに印税は入らないのが心苦しいけど、これからも素敵な作品を期待してる」

白石の勢いに気圧され、菫は「は、はい」と即座に答えた。





自分の作品が一冊の本になると決まったときと同様、その本が株主優待に加わること聞かされた今も、菫はそれが現実のことだとは思えない。

まるで長く続いている夢の中にいるような気分だ。

得意だった折り紙の作品をたまたまホームページに添えたことで、菫の仕事に幅ができやりがいも大きくなった。

業界最大手の優良企業で働けるだけでも恵まれているのに、運よく周囲に認められ次のステージに進む手応えを感じている。

これもすべて子どもの頃から得意だった折り紙がきっかけだ。

幼稚園の先生になるために取り組んでいただけなのに、気付けば菫のライフワークになっている。

菖蒲よりも得意で、唯一母に褒められていたのも折り紙に夢中になった大きな理由だ。

今こうして充実した環境で仕事に取り組めるのは、母のおかげかもしれないと菫はふと思う。

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