御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
予想通りの言葉に、菫は用意していた言葉を即座に口にする。

「私は悟先輩とは結婚できないよ。第一、妹の彼氏と結婚するなんて今どきドラマでもはやらないし」

「か、彼氏って、どうして」

菫の言葉に菖蒲は表情を変える。

まさか菫が知っていると思わなかったのだろう。

菫だって未だに信じられないのだ。

「今朝菖蒲と会うことになってすぐに悟先輩に電話して菖蒲との関係を聞いたの。あっさり菖蒲と付き合ってるし結婚したいって教えてくれたよ」

「たしかに付き合ってるけど、結婚は……無理」
 
苦しそうに顔を歪め、菖蒲は目を伏せた。

その表情を見れば菖蒲が悟と結婚したいと思っているのは明らかだ。

悟が言うようにどこまでも頑固だなと菫は苦笑する。

「この間久しぶりに会って思ったけど、悟先輩、相変わらずかっこいいね。あの綺麗な顔は見応え抜群だった。菖蒲もあの端正な顔が好きなの?」

からかい混じりに問いかけると、菖蒲は顔を赤くし「顔だけの人じゃないよ。ああ見えて男らしいし誰にでも優しくて真面目だもん」と声高に話す。
 
必死に言葉を続ける菖蒲の姿に菫は表情をやわらげた。

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