褒めて愛して支配して
 目で懇願しても、柏木は微かに嗤うだけ。は、は、と過呼吸になりかけているのを目の当たりにしても、彼はその手で俺を慰めてはくれず、気の済むまで鑑賞するように無言のまま様子を窺うだけだった。窺って、嗤って、髪を引っ張って。また、唾を飛ばす。そして、俺の求めるそれとは逆の言葉を、彼は淡々と告げた。

「"Cum(イけ)"」

「あ、え……?」

 その瞬間、全身に突き抜けるような快感が走った。頭が真っ白になって、腰を中心に体が痙攣する。迸る性欲が衣服を汚し、累積的な性的緊張がそのコマンドで突然解放された。何、これ。気持ちいい。気持ち、よすぎる。

 あ、あ、と柏木の目の前でオーガズムに達したことに、恥辱や緊張、快感、焦燥といったバラバラの感情がぐるぐると脳内を駆け回る。そのあまりの悦楽に半狂乱になりながら、俺はボロボロと涙を流して。善がった。

 頭がついていかない。心もついていかない。体もついていかない。何が正常なのかすらも判断できず、は、あ、かし、わ、かしわぎ、と俺は自分を乱れさせた張本人に助けを求め、縋りつくことしかできなかった。かしわぎ。かしわぎ。たすけて。きもちよすぎて、こわい。かしわぎ。
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