たすけて!田中くん


これはもしかして、敦士たちとの関わりが消えたということなのだろうか。


あちら側もようやく私をいらないと判断したってことかな。


これは私が望んでいたこと。

たとえ、昔馴染みだとしても私たちの間に元々友情なんてなかったわけだし、すれ違っても挨拶する関係でもなかった。だから、最近が変だったんだ。


こうしてサトシに声をかけられなかったことによって、敦士側の判断を知ることができた。




だけどさ、サトシ。二年の教室はアッチじゃなくて反対でしょ。

わざと私にわからせるためすれ違ったんじゃないの? なんて私の想像でしかないけど。当の本人はきっと何も語らないだろうし。





私の日常は戻ってくるらしい。

開いた窓の隙間から吹いた冷たい秋風に、身を震わせる。



敦士と関わったのなんて、季節が一つも動いてないくらい短い期間だった。



おかえり、平穏。


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