たすけて!田中くん
「凪沙ちゃん、それが素?」
オレンジ色の髪の男の言葉に我に返る。
「あ……」
つい、やってしまった。
サトシとの再会でうっかり気が緩んでしまった。これは誤魔化しようがない。
「浮島くんとなぎちゃんって、すごく仲良しなんだね!」
この状況でのほほんとしている百瀬さんはある意味異質で、空気を読まない系なのかもしれない。私に対してもあまり驚いていないようだ。
「いえ、仲良くないので」
「どう見てもちげぇだろ! 茅織」
サトシなんてさっきから顔色悪い。私との再会が相当嫌みたいだ。
ともかく、付き合っている話はナシにしてもらって早く帰ろうと決意すると、百瀬さんが「ねえねえ」と声をかけてくる。
「茅織のお気に入りのお菓子、お裾分け!」
「え? いらない……です」
お菓子なんていらないので、私は一刻も早く立ち去りたい。