たすけて!田中くん


「てか、なんだよ笑ったって」

「だって、田中くんが元気ないと心配だし」

元気ないってバレていたのは意外だった。

そういうのはあまり気づかない人だと思っていたけど、喜久本って鋭いのかもしれない。


「喜久本に心配されるとは思わなかった」

「するに決まってんじゃん!」

残すのは気が引けるので、レモンミルクを胃に流し込んでいく。

最初は不味いと思ったけど、飲んでいると意外とクセになるかもしれない。



「だって、田中くんのこと大好きだし」

「げほっ」

「大丈夫!? レモンミルクそんなに不味かった!?」


あー……なんだこれ。

やばい。

今すっげー顔見られたくない。
熱いし、心臓がいつも以上に速くなっている。




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