たすけて!田中くん
***


後ろを歩いてって言ったはずなのに、ゆた先輩は平然と隣を歩いている。

オレンジ色の髪も、容姿もかなり目立つから視線が痛い。



「なんかさー、凪沙ちゃんって変だよね」

「それ、いい意味に聞こえないんですけど」

「良くも悪くも変わり者だなって思ってさ」

甘ったるい笑顔を向けられて、げんなりとしてしまう。私には糖度が高すぎる。


「あ、じゃあさ! 敦士じゃなくて、俺の彼女になるとかどう?」

「なりません」

そんな思いつきの提案されて、付き合うわけがない。この人、付き合うことを軽視しすぎだ。

「え〜。ならさ、どんな人がタイプ?」

「そういうの考えたことありません」

「あ〜、もしかして好きになった人がタイプ的なやつ」

なにその、そういう人いるよねぇと言いたげな半笑い。
なんだか少しイラッとしてくる。それに別に好きになった人がタイプとか一言も言っていない。


「てかさ、なんでそこまで敦士の彼女の立ち位置を拒むのか、俺には不思議だなー。とりあえず彼女になっておけば、羨ましがられるじゃん」

むしろ、嫌がらせ受けて被害受けている。羨ましがられるというより、妬まれているだけだ。

それにこの人の恋愛観って変だと思う。




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