たすけて!田中くん


「え……」

「私のとこ、おいで」

きょとんとしている清水くんに微笑みかけると、顔を真っ赤にした女が遮るように一歩前に出た。


「なに言ってんのアンタ!」

「黙っててくださいよ。決めるのは清水くんなんで」

苛立ちを含んだ低めの声で言いながら睨みつけると、先輩がぐっと言葉を飲み込んだ。


「で、清水くん。先輩方とお喋りの続きをするか、私と一緒にくるかどっちにする?」

決断を急かすように、清水くんの狼狽えている瞳を射貫くように見る。

すると、口をきゅっと結んでいた清水くんが僅かに唇を動かした。




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