皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
15.さようなら天の声
 卒業パーティの前にシャノンはミレーヌの両親と顔合わせをした。ミレーヌの母親が、ぐいぐいとシャノンに質問をしまくっていたので、ミレーヌは寿命が縮む思いだった。大切な友達だから、あまり変なことは言わないで、と。 

 シャノンから見たら、マーティンは熊のような人らしい。体が大きくて、怖そうに見えるけど、熊のぬいぐるみのように安心感を与えてくれる、と。
 そしてその意見が一致して喜んでいたのは、もちろん母親。母親が父親に対する見解と一緒だ、ということで、熊でゴリラを伴侶とすることを誓った二人は、なぜかその話で盛り上がっていた。

 挙句、さっさと結婚しちゃいなさいよ、と母親がマーティンに詰め寄るものだから、それはさすがに父親が止めていた。
 卒業パーティを終えたら、婚約の儀を行うということで、母親は妥協したようだ。
 誰かこの母親を止めて欲しい、とミレーヌは心から思っていた。

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