皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
そこには、楽しそうに歩いているあのエドガーがいる。私服ではあるが、間違いなくエドガーだ。目の合った者を凍り付かせる、と噂されているあのエドガーだ。
「間違いなく、エドガーだな」
「ほら、隣に女性がいますよね。手をつないでいますよね?」
間髪いれずに副隊長が言う。言われ、じっと観察をする。エドガーは隣の誰かと手をつなぎ、その誰かとしゃべっている。そして、時折、笑顔を向ける。
「ヒッ」
と、危うく悲鳴をあげそうになり、マーティンはそれを飲み込んだ。
「大丈夫ですか、隊長。エドガー隊長の笑顔に殺られましたか」
「だだだだだ、大丈夫だ」
マーティンは気づいてしまった。あのエドガーの隣を歩いているのは、妹のミレーヌ。間違いなくミレーヌだ。
騎士見習い時の格好とは違うから、副隊長もとある隊員も気づかないのだろう。でも自分はミレーヌの兄だ。私服姿であっても、自分の妹であることくらい、見ればわかる。
「間違いなく、エドガーだな」
「ほら、隣に女性がいますよね。手をつないでいますよね?」
間髪いれずに副隊長が言う。言われ、じっと観察をする。エドガーは隣の誰かと手をつなぎ、その誰かとしゃべっている。そして、時折、笑顔を向ける。
「ヒッ」
と、危うく悲鳴をあげそうになり、マーティンはそれを飲み込んだ。
「大丈夫ですか、隊長。エドガー隊長の笑顔に殺られましたか」
「だだだだだ、大丈夫だ」
マーティンは気づいてしまった。あのエドガーの隣を歩いているのは、妹のミレーヌ。間違いなくミレーヌだ。
騎士見習い時の格好とは違うから、副隊長もとある隊員も気づかないのだろう。でも自分はミレーヌの兄だ。私服姿であっても、自分の妹であることくらい、見ればわかる。