皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
だから、他の隊になればなおさらである。隊長はわかるけれど、副隊長は覚えていたか? という感覚。つまり、騎士見習いになると、まったくもってわからない。少なくとも、自分の隊に派遣された見習いではない、ということくらいしかわからない。見たこと無い顔、ということくらいしかわからない。
そのわからない騎士見習いが、ミレーヌに抱きついているのを、エドガーがしっかりと目撃してしまった。
めんどくさい男がめんどくさい状況を目撃してしまったら、めんどくさいことにしかならない。
エドガーは髪をまとめていた組紐をほどき、騎士服のポケットへとしまった。長い髪がハラリと広がった。事務仕事のときには「邪魔だから」という理由で長い髪を一つにまとめていたのだ。
どこか心が痛んだ。胸の奥あたりがチリリと音を立てて、小さな炎が燃えているような感覚だった。なぜこのような気持ちになるのかはわからない。
ただ、彼女が他の騎士に熱く抱擁されている姿を見たら、そう感じたのだ。
そのわからない騎士見習いが、ミレーヌに抱きついているのを、エドガーがしっかりと目撃してしまった。
めんどくさい男がめんどくさい状況を目撃してしまったら、めんどくさいことにしかならない。
エドガーは髪をまとめていた組紐をほどき、騎士服のポケットへとしまった。長い髪がハラリと広がった。事務仕事のときには「邪魔だから」という理由で長い髪を一つにまとめていたのだ。
どこか心が痛んだ。胸の奥あたりがチリリと音を立てて、小さな炎が燃えているような感覚だった。なぜこのような気持ちになるのかはわからない。
ただ、彼女が他の騎士に熱く抱擁されている姿を見たら、そう感じたのだ。