クールで無口(大嘘)な白井くんは愛が重い
とりあえず、穴に埋まるのもだめらしい。このひとはついてくる。
白井くんにばれずに、白井くんから逃げられる方法とはいったい。
……あれ、なんで家庭科が得意なの知ってるんだろ……、流しちゃったからもう掘り起こさないけど。
「あ、押ボタン式の横断歩道ですね」
「俺が押します」
「これまた圧がすごいですね。そんなに押したかったんですか?」
「はい」
この即答ぐあい──、ボタン押すのがだいすきで、とかいうかわいいものじゃないんだろうな。おそらくは、
「このボタンを宮坂さんが押したあと、だれが押すんですか? 俺がつづいて押したって、宮坂さんがふれたっていう事実は消えませんよ」
「予想通りすぎてこわいんですが」
「予想したんですか? 宮坂さんの思考に俺がいたってことですか?」
「いません。いまも過去もいつまでも」
「なんか語呂がいいですね」