クールで無口(大嘘)な白井くんは愛が重い
「じゃあせめて9割出させてください」
「9割とは?」
「バイトしてるんで大丈夫ですよ、ほら、宮坂さん的にもお義父さんのお金じゃなかったら」
「漢字変換まちがってそうですね」
「あってますよ、ね?」
「ほだされませんが」
「おかしい」
おかしくないよ、確かにその表情の作り方の完璧ぐあいは人類の生み出した神秘的すぎるバグみたいなものですけど。
「……俺が着るぶんだけ、だとしても、いいので」
「でも、わたしが」
「いいんですか? 宮坂さんが俺に貢いだっていう事実が残りますけど」
「白井くんの言い方のせいでそう話が盛られているだけで、事実貢いではないです、けど……」
一気にやりにくく思えてきたのはどうしてだか。
「………………お言葉に、あまえて」
「いままでに俺が言ったどの言葉への返事よりも間があったのは、」
「気のせいです」