クールで無口(大嘘)な白井くんは愛が重い
「おまたせしました」
「いえ、おかえりなさい」
「渡したかったもの、これです。身の危険を感じたらすぐさまに」
差し出された白井くんのてのひらに、丸いそれをころりと。一瞬ふれた指先とてのひら。白井くんの手、すっごく冷たい。
「防犯ブザー」
「はい。防犯ブザーです。紐を引っ張ったら大きく鳴きますので」
「鳴くんですか」
「そうです」
「そうなんだ……」
予想してなかった、みたいな。思ってたのとちがう、みたいな。
確かに、この歳になって防犯ブザーを渡されるとは思わなかったかもしれないですけど……。