年下イケメンホテル王は甘え上手でいじわるで
「まっ、待って! 待って!! 集中出来ないから、あっちに行ってて」
 私はきゅっと口を閉じて怖い顔を作ってみせた。
「はあ~い」
 嵐は両手をあげて、すごすごとちゃぶ台に戻る。嵐にとったら何でもないことなのかもしれないけれど、私はいちいち嵐の行動にドキドキしてしまう。いつまでたっても慣れないのだ。
「終わった? こっちおいでよ」
 嵐が手招きをするが、私は「ごめん、お風呂先に入ってくるね」とそそくさと脱衣所に向かった。いつもは嵐からお風呂に入ってもらうのだけれど、今日は嵐が完全戦闘モードに入っているから、隣に行ったらそのまま行為にいたってしまうことは容易に想像できる。沖縄も暑くなってきて私はそういうことをするなら、とりあえず体はすみずみまで綺麗に洗っておきたかった。シャワーで全身をぬらし、髪を洗い終えると、ボディーソープをタオルにつけ、泡立てる。耳の後ろ、首、鎖骨、と洗っていると、がらっと浴室のドアが開いた。
「きゃあっ」
 私は思わず椅子から立ち上がる。裸の嵐がそこに立っていた。
「あっ、嵐っ、なんでっ」
「なんでって、夫婦なんだから、一緒にお風呂入るくらい、いいでしょ」
 嵐はにやにやしながら、ドアを閉める。
「だっ、だめっ、お風呂はゆっくり一人で入りたいのっ」
 抵抗するも、
「だって、りこねえ、ぼくのはじめてもらってくれるんでしょ? ぼく、女の人とお風呂入ったことないよ」
という嵐の殺し文句に何も言えなくなってしまった。
「ほら、早く、洗って・・・」
 嵐が私の耳元でささやく。心臓の鼓動が早くなり、私は手を滑らせてタオルを落としてしまった。私が拾うより早く嵐がそのタオルを拾い上げると
「じゃ、ぼくが洗ってあげるね」
と言って、嵐が背中にタオルをあててごしごしと優しくこすった。
「あ、ありがとう」
 それから、右手、右腕、肩を丁寧に洗っていく。左側も同じようにし終わったときに、「あとは自分でやるから」とタオルをもらおうと手を出すと
「だーめ」
とさっとタオルを上にあげた。あのいたずらっこの顔をした嵐だ。
「ほら、手で隠さないで。綺麗にならないよ」
 嵐は後ろから抱きしめるようにして、タオルで胸を洗う。いやらしく、もてあそぶようにタオルを使って刺激してくる。
「ふぅんっ」
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