【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「ロイドは、君を愛していたんじゃなかったのか。だから形だけだとしても……俺という婚約者の居た君に手を出したんだろう。だが……確かに困ったな。君の父上にもすぐ次の縁談があるからという理由で婚約解消に頷いてもらっているからな……婚約解消の書類はもう受理はされてはいるが、前提の条件が崩れるとそれも反故にされるかもしれない。ロイドは他に何と言っていたんだ? あまりに展開が急すぎるだろう」

「……お前にはもう用はないと……そう言われたわ。私、もう分からなくて……何がいけなかったの?」

 憔悴してしまったイジェマは、俯いてまた泣き出した。そっとリカルドの顔を伺うと難しい顔をして眉を寄せている。逆隣のワーウィックは口をつぐんだまま、この事態を見守っているようだ。スイレンもまた、何も言えなくて俯いた。

 どんなに愛し合っていたとしても、どちらかの心がもう離れてしまえば、それで終わってしまう。恋はなんて脆く儚いものなんだろう。
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