【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 イジェマはあの後なんとか落ち着きを取り戻し、馬車で自宅へと帰って行った。

 その後、一緒に夕食を食べていても、リカルドはずっと言葉少なくなってしまっている。心ここに在らずというか、何かをずっと考え込んでいるようだ。ワーウィックはやはりその様子を見ても、何も言わない。いつものように皿に盛られたスイレンの出した魔法の花を、無言で食べているだけだ。

 スイレンはワーウィックのその様子が気になって、食後いつものようにリカルドが二階に上がってしまったのを見届けると、思い切って話しかけた。

「ワーウィック、何で喋らないの?」

 不思議そうにしているスイレンにワーウィックは苦笑しながら答えた。

「ん、気にしないで。スイレン。リカルドの心の中がうるさくて。僕達は契約で繋がっているからね。だからある程度意思の疎通が、喋らなくても出来るんだけど……まあ、あいつは、この思わぬ事態に混乱しているんだ。スイレンは気にしなくて大丈夫だよ。任せておけば何とかしてくれる」

 その真っ直ぐで綺麗な紅色の目は嘘はついてないように見える。見えるけれど……。スイレンは何だか不安になってしまって聞いた。
< 141 / 299 >

この作品をシェア

pagetop