【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 その夜、リカルドは何でもいくつか根回しが必要だと言って、机に向かって何通も手紙を書いていた。

 その様子を見ていたはずのスイレンは、彼の部屋の大きなベッドでいつの間にか眠ってしまっていた。

 目覚めると背中から抱かれて太くて筋肉質な腕が巻きついている。彼は上半身裸なのか、肌に直接触れたところが熱い。寒い季節なのに、こんな格好で寝てしまって風邪をひいてしまわないか不安だった。スイレンは懸命にがっちり固定された体を捩らせると、いつもの精悍な表情からは想像もつかない、あどけなくて可愛い寝顔が見えた。

(リカルド様、可愛い)

 まじまじと間近で見ると睫毛が長くて、高い鼻筋が通って形の良い唇に繋がる。その規則正しいちいさな寝息ですらも愛しく感じてしまう。

 思わず笑顔になってしまったスイレンはそっとその頬にキスをした。衝動的でどうしても止められなかった。ただただ愛しくて、目の前にこの人がいることが本当に信じられなくて。

「キャっ……」

 がばっと急に抱きしめられて驚いた。

「おはよう。スイレン。やっぱり起きた時に可愛い君が居るなんて最高だ。職場にも連れて行きたい」
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