【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
スイレンは少年の姿をしている竜に縋った。魔の山まで徒歩で行けば何日もかかってしまう。花魔法しか使うことの出来ないスイレンは彼に頼る以外なかった。
「スイレン……僕も上位種であるイクエイアスが不可侵の条約を交わしているあの場所へ竜の姿では行けない。人化してしまうと魔法も使えないし、身を守ってくれる硬い鱗もないしブレスも吐けない。君を守れなくなるんだ」
「守ってくれなくて……良い。私はリカルド様を安全な場所で見殺しにするくらいなら、助けに行って死ぬほうが良い。クライヴは送ってくれたらすぐ帰っても良い。私一人で行けるから」
涙を手で拭いながら、スイレンは決然と立ち上がった。リカルドが死んでしまった世界に何の意味があるんだろう。それならばもう、彼を助けに行く道中でのたれ死んだ方がまだ良かった。あの人が居ればと思いながら生涯を過ごすには、もうあの人を愛しすぎていたから。
「待って……待って。スイレン。落ち着くんだ。どうしても君がそう言うのなら、イクエイアスに相談してみよう。何か妙案を出してくれるかもしれない」
「スイレン……僕も上位種であるイクエイアスが不可侵の条約を交わしているあの場所へ竜の姿では行けない。人化してしまうと魔法も使えないし、身を守ってくれる硬い鱗もないしブレスも吐けない。君を守れなくなるんだ」
「守ってくれなくて……良い。私はリカルド様を安全な場所で見殺しにするくらいなら、助けに行って死ぬほうが良い。クライヴは送ってくれたらすぐ帰っても良い。私一人で行けるから」
涙を手で拭いながら、スイレンは決然と立ち上がった。リカルドが死んでしまった世界に何の意味があるんだろう。それならばもう、彼を助けに行く道中でのたれ死んだ方がまだ良かった。あの人が居ればと思いながら生涯を過ごすには、もうあの人を愛しすぎていたから。
「待って……待って。スイレン。落ち着くんだ。どうしても君がそう言うのなら、イクエイアスに相談してみよう。何か妙案を出してくれるかもしれない」