【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
光る苔が放つ薄明かりの中、スイレンは震える手を抑えて意識を集中させた。ポンっ、ポンっと音をさせて静かな洞窟の中に鮮やかな花が開いていく。黒く美しい竜を取り巻くように螺旋状に広がった。彼はふわふわと無数に浮く花を不思議そうに見上げる。
(これか……古き魔法だな。まだ使い手が居たのか)
その黄金の瞳を彷徨わせ、大きな口を開け花を口に含んだ。スイレンはコクリと息をのむ。これからの反応次第で、決まってしまう。黙ったままの黒竜にほんの一瞬だったか、それとも、数分を要したのか時間感覚を失ってしまう程の、緊張感。
(……あの人間の集団は確かにうっとおしいから、追い払えるなら協力してやっても良い)
それまでずっと平静に見えたクライヴが大きく息を吐いた。スイレンも両手を握りしめて、感謝した。その圧倒的な力を持つ存在に。その大きな手の一捻りで殺してしまえる程の矮小な存在の願いを叶えてくれた、その奇跡のような気まぐれに。
「……心より感謝を申し上げます。必ずあの集団は姿を消すように迅速に対応します」
(これか……古き魔法だな。まだ使い手が居たのか)
その黄金の瞳を彷徨わせ、大きな口を開け花を口に含んだ。スイレンはコクリと息をのむ。これからの反応次第で、決まってしまう。黙ったままの黒竜にほんの一瞬だったか、それとも、数分を要したのか時間感覚を失ってしまう程の、緊張感。
(……あの人間の集団は確かにうっとおしいから、追い払えるなら協力してやっても良い)
それまでずっと平静に見えたクライヴが大きく息を吐いた。スイレンも両手を握りしめて、感謝した。その圧倒的な力を持つ存在に。その大きな手の一捻りで殺してしまえる程の矮小な存在の願いを叶えてくれた、その奇跡のような気まぐれに。
「……心より感謝を申し上げます。必ずあの集団は姿を消すように迅速に対応します」