【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 夜、ブレンダンが団長から預かったと言って明日予定されている凱旋式の書類を持ってきた。

 自分が拷問を受けて満身創痍だったとしたらどうするつもりだったのか聞いたら、檻に入れられて見世物になっていたのはこちらでも周知の事実だったらしい。

 なるほど、あの短時間で無茶な救出劇もそう言われてしまえば納得出来る。

 ざっと書類に目を通せば、祝福のキス(婚約者か王女)と書かれていてうんざりした。

 この国の王女は何故か英雄視されている自分を気に入っていてイジェマという防波堤がなければ無理矢理結婚させられていたかもしれないからだ。

 お互いに嫌だが、ここはイジェマに頼むしかないだろう。後で高価な何かを買わされるかもしれないが、仕方ない。仕事だと思って割り切ってもらう。

「あの女の子はこの家に居るの?」

 騎士学校で同期のブレンダンはとにかくモテる。口も上手いし手も早い。それにいわゆる女の子が好きそうな爽やかで整った容姿をしている。

 出来るだけスイレンには近づけたくなかった。

 いくつかの質問に生返事しながら書類に目を通していくと、控えめなノックの音がした。止める隙もなくブレンダンが戸を開く。

 ブレンダンが急に上機嫌になって自己紹介をしていた。なんだか嫌な予感がして、止めに入る。可愛い寝巻きを身につけたスイレンが挨拶をしにきていた。

(今までもあんなに可愛かったのに、もっと可愛くなっている)
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