【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 その衝撃にリカルドは頭の中が沸騰しそうになった。

 そうとは見えなかったが、今までの汚れを取り去ってしまったスイレンの白い肌は輝くようで、その栗色の髪は艶々している。可愛すぎて目の暴力だ。

 とにかくブレンダンの目から隠そうと悪あがきをして二人の間に体を滑り込ませた。

 ブレンダンがスイレンを凱旋式へと誘い、祝福のキスの文字を思い出したリカルドは大きな声で否定の言葉を言ってしまった。

 スイレンはびっくりして目を見開いた。言いすぎたと思ったがもう遅い。とにかく来てはいけないとだけ言い聞かせ、それに頷いたスイレンは部屋に帰ってしまった。

 ブレンダンがいなければすこし話でもしたかったのにと思うと仏頂面になってしまう。

「おいおい、あんな言い方ないだろ」

 そう不満げに言っているブレンダンの言葉は無視した。

 スイレンは隣の部屋で今はベッドに潜り込んでいるだろうか、もう、寒さに凍えさせたり食べ物に困ったりは絶対にさせない。

 これからあの子が快適に暮らせる場所を与えてあげたかった。そうしたら自ら望んで自分の傍に居てくれるかもしれない。

 あの可愛らしい笑顔をもう二度と曇らせたくなかった。
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