【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「……リカルド、これが君のせいだとは言わないよ。でも君は彼女の前で言葉足らずだったと思う。すぐに愛を告げることは出来ないとしても、自分の今の状況や事情を説明するとか何かやりようがあったんじゃない? 不安になっても仕方ないと思うよ。とにかくスイレンを探そう。彼女の足ならまだ遠くに行っていないはずだ」

「……ワーウィック、竜化しろ。一度城へ向かう」

「は? 何言ってんの、とにかくスイレンを探そうよ。ヴェリエフェンディはそれなりに治安が良いとは言っても、何も知らない女の子が一人で庇護もなく居て危険がない街じゃない。ここを出て行くにしても……」

 それなりに準備をしてから、と言いかけたワーウィックはこくんと息をのんだ。隣に居る相棒の茶色い目が戦闘前に良く見る本気の光を孕んでいたからだ。

「俺達が一騎で探したところでたかが知れている。今日非番の竜騎士に捜索を頼むんだ。今なら鍛錬の終わりに捕まえられる可能性が高い。頭を下げて空から探してもらう」

「……街を低空飛行することは禁止されているよ。君が罰せられることになるかも」

 いくらこの国で英雄視されているリカルドでも、他の竜騎士を巻き込んでの規則違反はお目こぼしが難しいだろう。

「それでスイレンが見つけられるのなら、本望だ。行くぞ」

 ワーウィックはその言葉に何も言わずに頷いた。リカルドは何を犠牲にしても、スイレンを探すことに決めたのだ。
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