【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 檻の中の自分に話しかけたり、時に突拍子のないことをするのは理解はしていたが、まさか、あのエグゼナガルの元に単身向かい、自分を助けるための交渉をするなんて夢にも思っていなかった。

 あの儚げな容姿につよい意志を秘めている。それにいつも自分は驚かされるのだ。

 王都へと急ぎ帰り、自分の背中の怪我には王家専用であるはずの治療の魔法の使い手が癒してくれた。ついでに殴られた顔も治療してくれたがびっくりするほどの速さだった。

 治療の魔法は適性がないと使えないそうだが、こんなに優秀だと引く手数多だろうなと思う。出来れば傷の絶えない戦闘にも着いてきて欲しいとは思うが、それをしないということは何か事情があるのだろう。

「……スイレン? スイレン」

 家に帰り部屋に入ったままの彼女を心配したリカルドはそっと戸を開いた。

 栗色の髪を広げてベッドの上に横たわっている。どうやら、着替えだけを終わらせてそのまま寝てしまったらしい。

 寝息を立てている可愛らしいその寝顔は、自分が世界で一番守りたいと思えるものだ。
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