ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う
 そう提案してくれたアリスに頷いて、スイレンは微笑んだ。可愛らしい彼女は、快活で明るい性格なようで城の中にある物を説明してくれながら、道中話を途切れさせることなく案内してくれた。

 そして城の外にある大きな円形の建物の近くに行くと、入り口前で半裸の大きな体の男の人が三人ほど座って何か話しているようだ。

「あ、きっとあの人達も竜騎士かな、ちょっと聞いてみようか?」

 にこっと笑ってくれたアリスに頷く。

「あれ? ゴトフリーの彼女だ。どうしたの」

 ガッチリとした筋肉質な体を持つ短い茶髪の人が、アリスと顔見知りなのか、向こうからこちらに声をかけてくれた。ワーウィックの話によると、ヴェリエフェンディの竜騎士達はその外見も選定基準に入ってしまうらしい。なので、勿論彼ら三人も一様に美男ばかりだ。

「レンドールさん、あの、ゴトフリー居ますか?」

 アリスは知った顔を見つけて安心したのか、肩の力を抜いてほっとした様子で話しかけている。

「ゴトフリー達なら、今頃副団長にしごかれてると思うよ。なんかエディがやらかしたみたいだね」
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