離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
 その瞬間、グイッと肩を抱かれ、強引に唇を奪われた。

「ふえっ?! 」

 貪る様に、乱暴に舌で唇をこじ開け、いつもより少し荒々しく、強引に舌を這わせてくる。

 絡め取られた舌を チュプチュプと捏ねくりまわし、歯で甘噛みされ、ピリッとした痛みが口内に広がる。

「っん……、 ぅっくんっ……、ふうぅっ……っ」

 息をする為に、一瞬離れては、角度を変え、何度も何度も、存在を確かめる様にキスをする。

「はっ……、可愛い、可愛い、俺のシエナ……。 愛している…… 」

 艶のある声で、熱く愛を囁かれ、私の頭は朦朧とする。

(は、激しい……。 無事だったのを喜んでくれるのは嬉しいけど、こ、こんな情熱的なキス、む、無理…… )

「ちょっとーーーっ! 私の事無視して、イチャイチャするんじゃないわよーーーーっ!! 」

 白鳥さんの雄叫びが、遠くで聞こえた様な気がしたが、蓮斗さんが意識を取り戻した安心感で、緊張の糸が切れた私は、疲労感と、情熱的なキスで酸素が足りなくなって、グニャリと、逞しい腕の中で、そのまま意識を手放した。

 

 


 










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