離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます

「…… 彼と…… 付き合っているのか? 」

「…… へ? 彼とは…… ? 」

 キョトンとするシエナに、もしかして、まだチャンスがあるのか?! と、グイグイと詰め寄る。

 壁際まで追い詰め、逃げられない様に、シエナの顔の横に、両手を置いて閉じ込める。

「こ、告白はされたんですけど…… 」

 マジか?!
勇気あるな、チーフ……
男として、そこは尊敬するぞ。

 自慢じゃないが、俺は今まで告白と言うものを、した事がない。

 故に、どうやって告白すれば良いのか、実は、わからない……。

 稚拙な自分が恥ずかしい。

 だか、男には、やらなきゃいけない時がある!

 アワアワッと真っ赤になって、逃げようとする、彼女を絶対に逃すもんかと、必死に止める。

「好きなのか? 」

 ハッキリと、彼女の口から聞きたくて、二度も同じ質問を繰り返す。

「イエ…… 嫌いでは、ない、と言うか…… 」

 よし! まだまだ俺にもチャンスはある!

 恥ずかしがって、両手で隠している手を摘んで晒すと、チーフが撫でていた頬に、チュッっとキスをした。

「消毒だ」

 本当はひん剥いて、速攻、風呂で洗ってやりたい!

 俺以外の男が触れるなんて、許せない!

 仕事が楽しくて仕方なかった、数日前が嘘の様に、独占欲丸出しで、シエナに夢中になっている自分が、可笑しくて仕方ない。

 
 チャンスの神様には前髪しかないと言う。
やり手の俺は、このチャンスを逃す気は、決してない!











 

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