女の恋愛図鑑
始まりの終わり
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好きだった人に似ている人を好きになる、そんな経験は良くある事のように思う。
最初の取っ掛かりがたとえそんな事でも、好きになってしまえばきっかけなんてどうでも良く、ただ猛烈に心が焼けるだけだ。
あたしは疾走した。もう1月で、セーラー服の上からカーディガン着て、そのまた上に上着着ても、寒さは貫通する。
その寒さはあたしの心臓をい抜いて、淋しさで殺してしまうかもしれない。
寒くてみんな、休み時間も暖房が効いた教室から出ようとしない。
中庭では1つ上の先輩がバレーボールを楽しんでいた。まるで遊ばないと損みたいに、熱中している。受験てストレス溜まるんだろうな。
あたしも1年後あんな風だろうか。
トイレに行く途中、窓を覗く。
人気のない廊下は、冷える。
「何見てんの?」
「えっ?!あ…バレー…」
「ふーん。」
知らない男の子だ。
そう言うと、すぐに去ってトイレに行ってしまった。
見上げないといけないくらい背が高く、肩がしっかりしていて、何だか懐かしい。
ふと急に胸が詰まる感じがして、あたしはさっきの彼が帰ってくる前に教室に逃げ帰った。