エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
「……書けました」
「そうか、お疲れ様」
婚姻届を書くのに十分ほど時間を使ってしまった。ずっと使っていた“雛野”という苗字はもう使わな答え合わせことが寂しくて、最後は丁寧に書かないとと思ったら時間が掛かってしまった。
「朝、出しに行こう。その前に腹ごしらえしないとだが……」
「腹ごしらえ? どこにいくんですか?」
退院する際の会計などは八神さんが全て終わらせてくれていたらしく、会計は素通りで病院を出た。病院の駐車場を歩き隅っこまで行くといかにも高級車が停まっていた。
「これ、乗って」
「はい……お邪魔します」
八神さんはドアを開けてくれてエスコートされながら車に乗り込む。車はとても座り心地がいい。座席は低反発のようにふわふわしていて感動しながらシートベルトを装着すれば、八神さんは声をかけて車を出発させた。
「まず、喫茶店だね。モーニングが美味しい場所があってね」
「そうなんですか?」
「あぁ、楽しみにしていて」
病院を出てから喫茶店まで、八神さんは自己紹介をしてくれた。
彼には二人のお兄さんがいることとか好きな食べ物は蜜柑でみかんのゼリーを家にストックさせているだとかと……そんな話をたくさんしてくれた。話をしている間に目的地の喫茶店に到着した。