素直になれない…
次に再会したのは1ヶ月後。
芽衣ちゃんと奏多さんの結婚パーティーの時。
ちょうど夏の終わり、暑さも和らいで大騒ぎしていたマスコミもやっと静かになった頃に開かれたガーデンパーティー。
奏多さんたちの意向で、小さな洋館を貸し切って親しい友人たちを招いてのアットホームなものとなった。
芽衣ちゃんのお腹も少し大きくなり、幸せそうに奏多さんと並ぶ姿に少しだけウルッとしてしまった。
私自身に結婚願望はないけれど、こうして祝福されて結婚するのが幸せなんだと素直にうらやましかった。
「久しぶりだな」
「ぇ、ええ」
まさか声をかけられるとは思っていなくて、動揺した。
あの日もらったアドレスも電話番号も結局登録する勇気がなかった。
どうせ一夜限りのことだし、忘れるべきなんだと一人で納得した。
「ねえ、これ持っててもらえる?」
そう言って差し出された携帯。
これはきっと雄平さんのもの。
「どうして?」
「この後話がある。連絡するから持っていて」
「いや、でも、それじゃああなたが困るんじゃ」
「うん、だから後で返して。じゃあね」
携帯を残したまま行ってしまった。
芽衣ちゃんと奏多さんの結婚パーティーの時。
ちょうど夏の終わり、暑さも和らいで大騒ぎしていたマスコミもやっと静かになった頃に開かれたガーデンパーティー。
奏多さんたちの意向で、小さな洋館を貸し切って親しい友人たちを招いてのアットホームなものとなった。
芽衣ちゃんのお腹も少し大きくなり、幸せそうに奏多さんと並ぶ姿に少しだけウルッとしてしまった。
私自身に結婚願望はないけれど、こうして祝福されて結婚するのが幸せなんだと素直にうらやましかった。
「久しぶりだな」
「ぇ、ええ」
まさか声をかけられるとは思っていなくて、動揺した。
あの日もらったアドレスも電話番号も結局登録する勇気がなかった。
どうせ一夜限りのことだし、忘れるべきなんだと一人で納得した。
「ねえ、これ持っててもらえる?」
そう言って差し出された携帯。
これはきっと雄平さんのもの。
「どうして?」
「この後話がある。連絡するから持っていて」
「いや、でも、それじゃああなたが困るんじゃ」
「うん、だから後で返して。じゃあね」
携帯を残したまま行ってしまった。