もう一度、契りを交わそう
授業を聞いている間、ずっとゾクゾクと体に寒気が走り、頭は朝よりも痛みが増している。それでも、単位に響いてしまうと自分に言い聞かせ、何とか乗り切った。

「よし、これであとはバイトだけね……」

藍は進学してからずっと、駅前のファミレスでバイトをしている。仕事はなかなか忙しいが、お給料は他のお店よりも高いのだ。きちんと稼がないと家賃などが払えない。

「バイト、休んだほうがいいよ」

「そうだよ。誰かに代わってもらいなよ」

そう友達に言われたが、「今日は三時間だけだから」と返し、藍はかばんを手にバイト先のファミレスへと向かう。

ファミレスのドアを開けると、お昼時ということもあってお昼休みの会社員が多く来ており、忙しそうに店員は動き回っている。

早く着替えなくては、と思いながら荷物を置くために休憩室のドアを藍が開けると、そこには三人の先輩が楽しそうに話しているところだった。

「藍ちゃん、フラフラしてるけど大丈夫!?」
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