ゼッタイ結婚させない!
お店ではお酒は飲まずノンアルコール。とはいえ、朝からのダブルワークは中々体に堪える。
立ち仕事で足はぱんぱんに浮腫むし、疲れは溜まる。
それでも私はもう貧乏が嫌なのだ。幼少期に惨めな生活をしていたせいで、お金が世の中で一番強いという捻くれた子供に育ってしまった。
実際にお金は世の中で一番強いのだけど、社会人になっていっそう貯金が趣味になってしまった。
男の人を見る時も顔より先に身に着けているスーツや時計に目が行くようになってしまった。 自分ながら下衆であるとは思う。
「はぁー…。タクシー代高いんだよなぁ…。まあ、仕方がないか…。
家が近くて良かった。これで遠かったら一日のバイト代無駄になっちゃうもんね…」
夜の街でぶつぶつと独り言を言いながら、タクシーを探す。
頑張れば歩いて帰れない距離ではないけれど、さすがに疲れもたまっているし夜の女性の一人歩きは危険だ。
守銭奴である私にだってそれ位は分かる。