ゼッタイ結婚させない!
今は九州にいる母も「何故凛歌はこんなに守銭奴に育ってしまったのかしら」とよく嘆いていた。
それもこれも全部は母のせいなのだ。
写真でしか見た事のない父は、娘の私から見ても顔の整ったイケメンだった。
そして母はそんな父の顔が一番好きだったらしい。 ろくに働かずに家にもお金もいれない最低な男を、イケメンというだけで許せた少しだけ頭の弱い母を見て育って
絶対に男は顔じゃないと幼心に悟った。 だから私はイケメンアレルギーでもあるのだ。
’そういえば、今日スーパーでいきなり告白してきた男もかなりのイケメンだった’
そんな事を考えながら歩いていると、良く見慣れた黒いバンが横付けされた。
運転席の窓が開くと、不機嫌そうな男が怒鳴り声を上げる。
「おいっ…!てめぇ、何勝手に帰ってやがる!」
「ちょ…声がでかい! こんな街中で恥ずかしいから止めて!
つーか何しにきたのよ?!」