ゼッタイ結婚させない!


「そうなんだ、お母さん今は一人?」

「おばあちゃんと二人暮らししてるんですっ。若い頃は仲の良い母娘ではなかったらしいんですが、今は仲が良さそうですよ。
一緒に温泉旅行に行ったり、舞台を観に行ったりしているみたいです。
おじいちゃんも亡くなっちゃったけれど、女二人も楽しいものだって今は言っています」

「そう、それなら寂しくないわね。うちも娘ばかりだけど直ぐに大きくなっちゃって相手にしてくれなくなるんだろうなぁー」

レイラさんの言葉に曖昧な笑顔を浮かべる。
レイラさんは少しだけ昔の母の面影がある。

母は水商売はしていなかったけれど、レイラさんと同じシングルマザーで昼は事務の仕事をしながら夜はレストランの厨房で皿洗いのアルバイトをしていた。

灰皿に煙草を押し付けるように火を消すと、ふわりと煙の香りが天井に上がって行く。

からんと涼しい音がして、結にお客さんが入って来たのを報せてきた。
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