ゼッタイ結婚させない!

「いらっしゃい!よっさん、今日は随分早いのね」

表からママの高らかとした声が響く。
今日のお店の口開けは、よっさん。 ラウンジ結では週の半分はくる常連さんだ。 ママとは長年の付き合いになる誰にでも優しいおじいちゃんである。

レイラさんがお通しの準備を始めて、私は焼酎の棚からよっさんの芋焼酎を取り出す。

「よっさん、いらっしゃいませーっ」

「おお、リンちゃん。好きな物飲みなよ。 レイラもいるんだろう?」

「わーい、ありがとうございますっ。
よっさんは今日もお湯割りでいい?」

「うん、よろしく」

よっさんは夏でも冬でもお湯割りで決まっている。
ママのお客さんだけど、私や他の女の子にも親切で優しい。

結はそういうお客さんが多かった。こぢんまりとしたアットホームなラウンジ、というのもあるのだろうが

来ているお客さんはほぼ常連さんで、ママがクラブ嬢時代の持ち客である。
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