エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

「お待たせしました」
「サンキュ」


早速口をつけ、「はぁ、生き返る」と深く息を吐き出す。


「海老沢さんの淹れるコーヒーはどこで飲むのよりおいしいな」


褒め上手だから、その言葉がほしいがために先手を打ちたくなるのを彼はきっと知らない。


「私のコーヒーで先生の命が救えるのなら、何杯でもお淹れします」


雅史がひとりいるだけで数百、数千の患者の命が助かるのだからお安い御用だ。


「それはうれしいね。いっそ、マンションに〝海老沢コーヒーマシン〟を置きたいくらいだ」
「今なら一カ月無料でレンタルできますが、いかがですか?」


冗談に冗談で返し、互いに笑い合う。
それもこれも彼への好意を隠すため。なんとも想っていないからこそ軽く流せるのだと見せつけた。
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