エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

「それから、こちらもどうぞ。お昼、まだでしたよね」


楓のデスクに置いていたサンドイッチとおにぎりの入った袋を差し出した。


「さすが海老沢さん」


午前中の外来が予想以上に延び、雅史は昼食をとる時間もままならなかったため、カンファレンス前に階下のコンビニで買ったものである。

彼がカサカサと音を立てながら中身を取り出す。


「しかも明太子」
「お好きですよね」
「秘書の鑑だね、海老沢さんは」


椅子の背もたれに体を預け、感心したように唸る。


「それは買いかぶり過ぎです。先生の動向を日々注視していますから」


時間がないときに雅史が食べるおにぎりが、決まって明太子なのはチェック済みだ。
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