エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「ストーカーもびっくりだな」
「負けない自信があります」
体の前で手を揃え、顎を引いて口角だけ上げた澄まし顔を向けた後、ふたり同時にふっと笑みを零し合った。
ジョークに見せかけた真実だとは雅史も思いもしないだろう。
「ところで明日の夜の予定は?」
「明日ですか? 午前中の外来のあと、午後二時から久保様の手術がありますが、夜は会食等の予定は入っておりません」
頭に入れておいたスケジュールを諳んじた。久保は、先ほどのカンファレンスの患者である。
「俺のじゃなくて海老沢さんの」
「私、ですか……?」
自分の胸を指差し、小首を傾げる。
(私の予定なんてどうして?)
瞬きを激しくさせながら続きを待つ。
「俺の秘書になって、明日で一年だろう?」