エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

翌日、楓はふたりを見送るため空港にいた。

このあと楓は雅史と離れ離れになるためブルーな気分だが、芹菜は終始ご機嫌。スキップでも飛び出しそうな様子でキャリーバッグを引いていた。

荷物を預け、いよいよ搭乗ゲートへやってくる。楓はここでお別れだ。


「じゃ、行ってくるから」


雅史が楓に振り返る。


「はい、気をつけていってらっしゃいませ」


手を振る楓を見た芹菜は、晴れ晴れとした顔を隠そうともしない。邪魔者を引き離せてせいせいとしたところか。

三泊五日の辛抱。たったの五日くらいなんでもない。
楓はその背中を見送り、「私もがんばろう」と自分を激励した。
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