エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

「学会は明後日ですよね」
《ああ》
「私も雅史さんがお世話になった先生にお会いしたかったです」


メールでのやり取りしかしていないが、丁寧な感じのする紳士だ。


《そうだな。俺も楓を婚約者として紹介したかった》
「正式な婚約者ではありませんけど……」


いわゆる結納はまだ交わしていない。


《そんなことを言うなら、指輪を返してもらおうか》


とっさに左手の薬指の輝く指輪を見る。ふたりの仲は内密にしているため、職場に着くと外している大事なものだ。


「ごめんなさい」


楓が即座に謝ると、電話の向こうで雅史がクスッと笑った。
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