エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
雅史から連絡があったのは翌朝、そろそろ出勤しようとコーヒーカップをシンクで洗っているときだった。
今か今かと待ちわびていたため、着信音がしたスマートフォンに飛びつく。
「もしもし!」
《楓が珍しく焦ってる?》
カメラつきで通話しているわけでもないのに、まるで見ていたよう。
「いえ、焦ってなんていません」
取り澄まして返したが、声を聞けたうれしさで心は弾む。
昨夜遅くに無事に着いたとメッセージだけは届いていた。
「今はどちらですか?」
《夕食をとってホテルに戻ったところ》
腕時計で時差を確認する。
サマータイムで換算すると、あちらは前日の午後六時半だ。