エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

(どれにしようかな……)

この店の売りのため、ホットサンドのメニューはたくさんありつい迷ってしまう。
目移りしつつオムレツとほうれん草のホットサンドに決めた。


「白石さんはよくこちらへいらっしゃるんですか?」
「お弁当作りが面倒になったときはね。海老沢さんは?」
「私も同じです」


ふたりで微笑み合う。


「神楽先生もよく来てるみたい」
「そうなんですか」


それは知らなかった。いつもどこで食べてるのかと思っていたが、ここへ来ていたのか。


「優秀な秘書でも知らないことがあるのね」
「なんでもかんでもは知りません」


冗談っぽく大袈裟に驚く沙月に笑って返した。


「ところで神楽先生はいつ帰国?」
「明日です。午後の便なので、病院へは明後日からになると思います」
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