エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「同じ? ……海老沢さんも親の決めた結婚相手がいるの?」
「実家は千葉で病院を経営していて……」
それが海老沢総合病院だと打ち明けると、沙月の驚きぶりは半端ではなかった。
現在は父に反発中で話し合いも物別れに終わっていると正直に告白した。
「海老沢さんは単純に政略結婚が嫌だから従わないの?」
政略結婚自体が嫌なのとは違う。幼い頃から父親にそう言われてきたから、ある程度の覚悟はできていた。でも今は……。
「好きな人がいるんです」
「やっぱりそうだったんだ」
沙月の顔がパッと華やぐ。
以前、沙月には筋の赤い痕に気づかれたことがあった。あのときは否定して終わったが。
「どんな人? 院内の人じゃないんでしょう?」
テーブルに身を乗り出して探るように顔を覗き込む。