エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
画面いっぱいに開いた写真を見て、胸をひと突きされた気がした。
薄明りの部屋のベッドに横になった雅史の寝顔だった。胸元から上しか写っていないが、裸のように見える。
もう一枚の写真は、ベッドサイドのフロアに散らばった女性物の洋服だった。下着らしきものもある。
情事のあとを連想させる写真に声も出せない。
(ううん、違う。これはきっと作り物。今は写真なんていくらだって加工できるんだから)
必死にそう否定するいっぽうで、疑惑も消し去れないでいた。
かわいい芹菜に言い寄られて、嫌な気持ちになる男性はいるだろうか。事実、芹菜は院内で男性人気が高い。
雅史は絶対に靡かないと言っていたが、もしも彼女が裸で迫ったりしたら?
男の人は心と体はべつものとはよく聞く話。解放的な気分になる旅先ならありえない話ではない。それが異国だったらなおさらではないか。
考えれば考えるほどにドツボにはまっていく。
写真がいつ撮影されたのもなのかわからないが、芹菜は今も雅史の隣で寝ているのかもしれないと想像して、胸が苦しくてたまらない。
嫌な思いをかき消すように写真もメールも閉じ、頭に残った残像を振り払った。