エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

芹菜と過ちを犯し、それを隠そうとするせいなのかと邪推する。


「雅史さん、私も帰ります」


芹菜はそんなのもお構いなし。楓に写真を見せるために手にしていたスマートフォンをバッグに入れ、いそいそと帰り支度をはじめた。

楓と雅史を追って部屋を出た芹菜は、医局やナースステーションに愛想よく声をかけながらついてくる。
地下駐車場へ降りる階段まで来るかと思いきや、スタッフ専用の通用口で足を止めた。


「では、私はここで。雅史さん、海老沢さん、お疲れ様でした」


ぺこりと頭を下げ、キャリーバッグを引いて駅方面に遠ざかっていく。

雅史と一夜を過ごしたからこその自信なのか、楓たちを無理やり引き離そうとせずあっさり帰っていった。


「引っ越しの準備は順調?」


その背中を見送っていると不意に雅史に尋ねられ、「えっ、あ、はい」と返す。
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