エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「その前にひとつだけいいですか?」
雅史の渡航中、慎一とふたりで食事をしたことを話しておきたかった。
慎一がそんな行動に出るとは思わなかったらしく、雅史の驚きぶりは半端ではない。芹菜と雅史を近づけるのはもちろん、その時間を作るために楓のアメリカ行きを阻止した慎一の思惑に、楓が話すまでもなく雅史は気づいたようだった。
「嫌な想いをさせて悪かった」
「そんな想いはさせられていません」
あくまでも紳士的な慎一とゆっくり話せたのはよかったと思う。ふたりの仲を認めてもらえないのを除けば。
「それと気がかりなことがあったんですが」
なに?と雅史が首を軽く傾ける。
「院長、このところ体調があまり良くないようです。目眩を感じることもあるみたいで」
「目眩?」
訝るように目を細める。