エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

「それはどうかなー。意外と神楽先生のほうが夢中になっちゃったりして」
「そんなのあり得ませんから」


冗談めかしておもしろがる沙月に笑顔で否定する。容姿も仕事もパーフェクトな男が楓に振り向くなんて100パーセントないと言っていいだろう。

そもそも楓は自由に恋愛できない身だ。


「ともかく前任者が辞めて、海老沢さんが秘書になってくれてよかった。……あ、今のはここだけの話だからね?」


沙月は自分の唇に人差し指をあてながら軽くウインクした。
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