あやかし戦記 闇の中の流星
地下室は埃っぽいイメージがあるが、ギルベルトの屋敷のものは定期的に掃除されているのか、全く汚れていない。

階段を降りると、目の前には鎖のある大きめの檻が現れ、目を逸らす。ここでベラは拘束され、尋問されたのだろう。

そのまま薄暗い道を進んでいくと、大きなドアが見える。耳をドアに近付ければ、何かの機械音や水が沸騰する音などが聞こえてきた。

「し、失礼します……」

イヅナが恐る恐るドアを開けると、制服の上に白衣を羽織ったギルベルトの部下たちが忙しそうに研究に取り組んでいる。誰もイヅナの方に見向きもしない。

気付いてもらうまで壁際で立っているわけにもいかず、イヅナは近くにいた女性に声をかけた。

「すみません、ユウゴ・ブルーさんはいらっしゃいますか?」

「ユウゴ?あいつなら、あそこの端っこにいるわ」

一瞬顔を上げた女性は早口で答えると、すぐにまた研究に戻ってしまう。イヅナは「ありがとうございます」と言い、教えてくれた場所へ歩く。
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